図書館サービス特論レポート~近畿大学通信課程で司書資格を取得した話(2)

近大通信司書課程

司書資格を取得のための学習を進めている中で、つまずいたのがこの科目です。ちょうと新型コロナ感染対策のために、各地の公共図書館が、利用を制限している時期で、実際に図書館へ足を運ぶことができず、記憶とHPを頼りに何とか仕上げたのを覚えています。

そして、なんとか提出したレポートは、再提出。

自分でも想像した以上に、がっかりしましたが、先生からの講評がとても丁寧で、きちんと採点してくれているんだと励みにもなりました。

今回は、その合格したレポートを載せてみます。数年前のレポート課題ですので、現在のものと変わっているかもしれませんが、図書館サービスを学ぶ上での参考になればと思います。あくまでも「参考」ですので、コピペなどは、おやめくださいね。(地名や数字などは、架空のものに変更してあります。)

『図書館サービス特論レポート 設題』

身近にある公共図書館を実際に観察し、その図書館で行われている課題解決支援サービスの内容・特徴を述べると共に、設置されている地域の課題を考えると他にどのようなサービスが実現可能か具体的に提示しなさい。

○○図書館を対象館とするが、新型コロナウイルス感染予防対策として、現地調査が困難なため、「○〇図書館」HP等を参考とした。

はじめに

当該図書館は、○○県○○市に在り、この一帯は市の管理による公園や野球場を有し、市民の憩いの場となっている。この敷地の一角に当該図書館が立地している。

  • 実際に行われている課題解決サービス

 ①乳幼児向けサービス

ブックスタート事業として、乳児の3~4ヶ月児健診時にブックスタートバック(絵本2冊入り)を配布するとともに絵本の読み聞かせを行っている。乳児を連れた保護者の来館を待っているだけでは、なかなか進まないブックスタート事業であったが、市の健康いきがい課と連携を図ることにより、健診を受けた乳児全員への絵本の配布が可能となった。この後、ブックスタートのフォローアップとして、読み聞かせやプチコンサートなどの楽しい催しを行い、さらに3歳児健診時でも絵本をプレゼントし、継続的な読書活動を促すことを目標にしたサービスを行っている。

②小学生向けサービス

小学生を対象にしたサービスでは、小学校4,5,6年生を対象に、子ども一日図書館員を募集し、図書館の仕事を体験するというイベントを行っている。例年定員を超える応募があり、この体験をきっかけに図書館の「常連さん」になる児童も多い。また、読み聞かせも行っているが、図書館員が選書するだけでなく「この本よんで」という読み聞かせのイベントでは、児童が図書館員に読み聞かせをしてもらいたい本をリクエストすることができ、これは児童から他の複数児童へのおすすめ本の紹介といった一面も持っている。

③中高生向けサービス

中高生向けサービスでは、年に一度、ビブリオバトルを行ったり、図書館員が選書した、中高生向けブックリストを作成して各学校に配布している。また、YAスペースを設置し、この世代に人気のある本の展示や専用のガラス張りの個室(5~6名で利用可能)を用意している。

 

 ④障がい者向けサービス

障がい者向けサービスとして、視覚障がい者の方へ、点訳、音訳資料の貸出しや、拡大器を設置して個室の貸出し、また予約が必要となるが、対面朗読のサービスを行っている。

  • 今後実現可能と思われるサービス

当該図書館のある○○県○○市は、県内の中でも高齢化が進んでおり、市区町村別総人口と65歳以上の人口をもとに算出した高齢化率を見てみると、○○県内の市区町村のうち、高齢化率は、30.12%と5番目であり、○○市の中では、最も高齢化率が高い。(総務省統計局刊行「統計でみる市区町村のすがた 2020」による)

こうしたことから、高齢者向けサービスのさらなる充実が求められると考えるが、低予算であることが、実現に近いと思われるので、以下に挙げてみる。                                                                                                                                      

健康に関する資料の充実

高齢者には、健康に関する不安を感じている方が多い。こういった方を対象に、健康に関する資料を図書館の配架する。また、これと共に介護関連資料も配架する。これは、来館する高齢者が、付き添いの人と公園への散歩のついでに来館する光景を複数回、目にしたことによる。

これら資料は、1階に配架する。これは、階段の昇降を避けるためである。エレベーターも利用可能だが、当該図書館では、入り口から離れた薄暗い場所にあるため、やや利用しにくい。当該図書館は、旧県立図書館の建物を活用しているために、二階以上のフロアに若干薄暗い場所があったり、数段の小さな階段が簡易的な造りになっているためである。資料を配架する書架と書架の間隔は広くし、書架は背の高いものは避ける。

朗読会の実施

高齢で字が読みづらい方も本を楽しめるように、図書館内のホールや会議室などで、朗読会を実施する。朗読者は、ボランティアを募るが、こうした朗読ボランティアを高齢者からも募ると良い。

また、朗読ボランティアの育成を図書館で行い、生涯を通して学ぶことの喜び、高齢者であっても、誰かのために役に立つことができ、喜びを与えることができる存在であることを地域のあらゆる世代に伝えるだけでなく、高齢者自身にも感じてもらうことが重要だと考える。

なお、このような朗読会や朗読者育成のための講座を実施する際には、図書館内のポスターやチラシ、ホームページ、自治体の広報などで広く伝えるだけでなく、スーパーなどの店舗にもポスターやチラシで宣伝することも考えたい。

高齢者、と一言で言っても、体力、能力には、個々に違いがある。高齢者、と一言で言っても、体力、能力は、個々に違いがある。

高齢者=弱者のようなとらえ方をせず、高齢者にとっての図書館を情報収集の場であると同時に、活躍の場にすることが重要だと考える。

以上

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